サブスクを知るのにオススメの一冊
近頃、新聞やニュースで“サブスクリプション”という言葉をよく耳にしますが、みなさんサブスクリプションについて説明できますでしょうか?
なんとなく知っているけどという方にオススメの一冊が、サブスクリプション「顧客の成功」が収益を生む時代のビジネスモデル(著者:ティエン・ツォ、ゲイブ・ワイザート、監訳者:桑野順一郎、翻訳者:御立英史、ダイヤモンド社)です。
サブスクリプションとは?
著者は、サブスクリプションとは「将来を見通す収益モデル」と表現。
また、これからのビジネスは「まず特定の顧客のウォンツ(欲求)とニーズ(必要)に着目し、そこにむけて継続的な価値をもたらすサービスを創造すること」、「つまり、顧客をサブスクライバーに変えて、定期収益がもたらされる構造を築くことだ。」とサブスクリプション・エコノミーへの転換を訴えている。このサブスクリプション・エコノミーへの転換を、一言で「世界の中心が製品からサービスに移行しつつある」と表現している。
サブスクリプションは新しい概念ではない
この本の中で、サブスクリプションは以前からあった概念であると認めている。しかし、企業が旧来の製品を売って終わりのビジネスからサブスクリプション型のビジネスに移行しようとしている理由として、「今日のサブスクリプションはデジタルで届けられ、その過程で膨大な量のデータが生成されるからだ」と論じている。つまり、自社のサービスを通じ直接的・継続的な関係を確立し、得られるデータにより顧客について知る事が可能になるということである。
サブスクリプションの効果
売り切り方のビジネスからサブスクリプション型ビジネスに移行することで、毎年ゼロベースで売上を作っていく必要がなくなる。つまり、年度末の自社の契約者数に利用料をかけ合わせれば次年度のおおよその売上の目途が立つ(解約者と新規加入者を加味しなければならないが)ことをメリットのひとつとしてあげている。
一方、サブスクリプション型への移行する際には、一時的に売上や収益の減少に見舞われることを“フィッシュモデル”や実例を交えて解説。また、この移行期間の負の効果をうまく投資家などに説明し乗り切る事の重要性を説いている。
サブスクリプション化できないものはあるか。
答えは「ない」である。例えば、冷蔵庫のような家電はサブスクリプション化できないのではないかと疑問に持つかもしれない。冷蔵庫であれば、中に入れる食品の提供を保証するといったように「製品が提供するサービスのレベルについて契約すればよい」ので、すべてがサブスクリプション化可能なのである。
本書では様々な事例が登場するが、特にギターメーカーのフェンダーの例を読むとモノを売る企業でもサブスクリプション化が可能であることが良く理解できる。
永遠のベータ版にとどまれ
サブスクリプションサービスでは、利用者から得られるデータをもとに使い勝手や機能の追加を継続して行っていかなければならない。このため、モノを売り切るビジネスモデルと違い完成形がないと言え、このことを「永遠のベータ版にとどまれ」と表現している。
実例として、カニエ・ウエストがストリーミング・サービスで音楽アルバムを公式リリースした後も、歌詞を変えたり曲順を入れ替えたりと手を入れ続けたケースが挙げられているがこれは非常に新鮮であった。これまでは、アーティストが発表した時点で作品は完成であったが、これからはアーティストがリスナーの声を取り入れながら、つまり一緒になって名曲を作り上げていくかもしれない。凡庸な私のような人間でも、作品制作に携われるかもしれないと考えただけでワクワクさせられる!
移行しようとするとどうなるのか?
本書では、サブスクリプション型ビジネスモデルに移行するにあたっては「マーケティング」「営業」「ファイナンス」「IT」を変えていかないという事が語られている。著者が創業したZuoraという企業での実体験などが記述されており分かりやすい。一方で、汎用性というか応用性が少し弱い気がするのでサブスクリプション型企業への移行を考えている経営者の読者などにとっては物足りないと感じる部分もあるのかもしれない(著者がサブスクリプション化を支援する企業のCEOであるので、あえてそうしているのかもしれないが)。
まとめ
この本を読むと、主に欧米でのサブスクリプション化に取り組んでいる企業の事例なども交えながら“サブスクリプション”とはどういった概念か学ぶ事ができます。なので、「サブスクって最近よく耳にするけど、きちんと説明できないなぁ」くらいの方が読むのに適していると思います。
また、本書を読むにあたって監訳者あとがきも読まれるのをオススメします。あとがきの中に、「いまだに多くの方々が誤解していることがある。すなわち『サブスクリプション=月額課金』という考え方だ」という記述がある。私自身もサブスクリプション=月額課金というイメージがどこかあったので、この部分を読んで衝撃を受けました。この文言を頭に入れて本書を読んでみると、更にサブスクリプションとはなんぞやという本質的なことに気付けるのではないかと思います。
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