2020/06/23

【読書】仮想通貨革命 ビットコインは始まりにすぎない

ビットコインとは何か?が分かる1冊

一時期に比べ仮想通貨に関するニュースを目にすることが減りましたが、先日Twitterでモーニングスター株式会社が株主優待として仮想通貨を配布するというツイートを目にして「配当ももらえて、株主優待の仮想通貨の値上がり益も期待出来て最高やん!」と考えたわけです笑。

ただ、「仮想通貨についてほとんど知らない」ということでネットで調べて評判の良かった、野口悠紀雄さんの「仮想通貨革命 ビットコインは始まりにすぎない」を読むことにしました。そんな感じで読み始めたのですが、内容はビットコインにとどまらず幅広い知識が得られ、個人的には知的好奇心が刺激されてワクワクする内容でした!!


ビットコイン(仮想通貨)とは!?

ビットコインをはじめとした仮想通貨は、「通貨」ではないとするお役所の見解に基づき最近では「暗号資産」などと呼ばれることも増えてきました。また、今のところビットコインなどは「通貨」として店舗などで使う「支払い手段」というよりは、「投資対象」として認識されているのではないかと思います。また、仮想通貨はサイバー攻撃などにより盗まれてしまうので危険である、匿名性が高いので犯罪に使われていると考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本書は、このような仮想通貨にまつわる誤解や誤った認識を改めて正しい知識を身につけて欲しいとの想いをベースに書かれており、多角的な面から仮想通貨について解説しています。


仮想通貨は怪しい?危ない?

マウントゴックスの破綻やコインチェックの流出事件等の影響もあり、「仮想通貨は盗まれたりするので危ない」や「匿名でやり取りできるのでマネーロンダリングなどに使われていて怪しい」などと考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、作者はこれは仮想通貨自体の問題ではなく、それを取り扱う人たちの問題であることを丁寧に説明し、正しい知識を身に着けることの大切さを訴えている。
例えば、戸締りもせずに大金を置いておいた家庭から現金が盗まれたというニュースを見て、誰も“日本円が危ない”とは言わないはずである。コインチェックの流出事件などはそのようなものであり、本質を理解せず、仮想通貨・ブロックチェーンを怖がって目を背けてしまっているとこれから起こる大きな変革にどんどん取り残されてしまう・・・読み進めていくうちにそんな気がしてきます。


なぜ仮想通貨は画期的なのか?

仮想通貨の基盤となる仕組みとして「ブロックチェーン」というワードを耳にされた事があると思います。このブロックチェーンの概念についてもできるだけ分かりやすく解説しようと試みられています(私は、1度読んだだけでは“なんとなく分かったような気がする”レベルなので、あと何回か読み直してきちんと理解できるようにしたいと思います)。
そんな状態ですが、ブロックチェーンの何が革新的なのかというと、「正直者が得をして、悪意がある人には労多くして得るものがない」という仕組みにより大勢の参加者により取引が機能するようにしている点だと理解しています。どういうことかというと、普通の通貨であれば国や中央銀行がバックに付いていることが信用となっており、また透かしやホログラムといった偽造防止策を取り入れることで悪意がある人に対抗しています。一方、仮想通貨はブロックチェーンという仕組みによりこれまでの取引履歴が連なっているので、1箇所を改ざんしようとするとその前の取引についても改ざんしないといけないといったようにどんどん取引を遡っていかなければならず、結果として膨大な計算をコンピュータにさせなければならないということで悪意ある人物に対抗しようとしています。反対に、取引が発生するたびに参加者が複雑な計算をこなして新たなブロックを生み出されますが、この計算に協力した参加者には報酬が支払われるという形で制度が円滑に進むように設計されています。みんなが仕組みを支えあう制度になっており、政府や中央銀行のような元締めがいない点が特徴の一つとなっています。
また、作中ではビットコインだけではなくイーサリアムやXRPがそれぞれどのような特徴を備えているのかも丁寧に説明されています。


ビットコインは通貨なのか?

「仮想通貨は通貨なのか?」という問題についても本書の中では論じられています。
そもそも通貨というものは何かというところから始まり、マネーストック・マネーサプライといったものについても説明が行われており、金融政策において中央銀行がやろうとしている事についても理解が深まる内容となっている。
また、SuicaやEdyといった電子マネーとの違いも説明されていて、今までなんとなく違うと思っていたレベルだったものが「ここまで違うのか!!」と驚かされます。


仮想通貨は投資対象になりうるか

本書はビットコインなどによる財テクの本ではないので、作者は仮想通貨自体に投資するのではなく、仮想通貨やブロックチェーンを使ったサービスなどを行う企業に投資することを提言している。一時期、「億り人」なる言葉が話題になり、私自身もビットコインなどを投資対象として考えている面が強かったのですが、この言葉を読んで雷に打たれたような衝撃を受けました!!
読み進めていくうちに、仮想通貨・ブロックチェーンがとてつもない影響を与えることが分かってくるので、作者の提言がますます説得力を持ってきます。


仮想通貨によってこれから起こること

作中では、仮想通貨やブロックチェーンによって起こる変化(作者はこれを仮想通貨革命と呼んでいる)はいくつか紹介されていますが、個人的に印象に残ったのは次の3つです。

  • 送金コストの低下→スモールビジネスがやりやすくなる
  • ホワイトカラーのオートメーション化
  • 新たな資金調達方法の確立
送金コストの低下

私は、仕事で海外にお金を送る事があるのですが、とにかくこの手数料が高い!!
なぜ高いのか?、またどんな手数料体系になっているのかについても驚くほど詳細に本書で書かれているので、普段海外送金などに縁のない人にもいかに手数料が高いかがお分かりいただけるかと思います。
そして、海外向けならず国内間の送金コストが下がることによって、利益率の低い小規模なビジネスであっても始めやすくなることが説明されています。企業などに興味がある方には、非常にチャンスだと感じられる内容だと思います。
また、このあたりの話は小さな飲食店がクレジットカードの導入をためらう理由などにも通じるので、いま政府が力を入れているキャッシュレス決済について理解を深めるきっかけになるかと思います。


ホワイトカラーのオートメーション化

仮想通貨やブロックチェーンは、自分には関係ない世界の出来事だと思っている方が多いかと思います。しかし、サラリーマンとして働く我々にとって無関係ではないのです!
これまで、自動化といえば工場の生産ラインなどがメインでしたが、ブロックチェーンによりホワイトカラーの仕事がオートメーション化されると本書にはあります。しかし、一方ではまだ実現していないのでということで具体例などは載っていません。だからといって「まだまだ先の話じゃないか」と安心するのではなくて、常にアンテナを張って情報収集をしていないと突然仕事を失う日が来てしまうかもしれません。


新たな資金調達方法の確立

この本の中では、アメリカのネットベンチャーがIPOに際して巨額の手数料を支払った事例などをもとに既存の調達方法ではコストがかかることが述べられています。しかし、仮想通貨を使えばこれまでよりも簡単に“自分株式”を発行して資金調達が可能だと作者は言っています。
今回のコロナウィルスの流行に際して、銀行からの融資や国からの補助金を受け取るのには時間がかかる事が明らかになりました。作者が言うように仮想通貨を使った資金調達が簡単に行えるようになれば、スタートアップなどの資金調達だけではなく、こういった非常時に危機に瀕している企業にとっても役立つかもしれません。


まとめ

今回、この本を読むまでビットコインをはじめとした仮想通貨についてなんとなく知っているという事がどんどんクリアになっていきました。
更に、ブロックチェーンを始めとした仮想通貨の様々な仕組みついても巻末の補論も含めて詳細に書かれています。仮想通貨の仕組みは、一般人にとっては単純ではないので時には理解が追い付かない箇所もありますが、作者は丁寧に解説しようと試みていらっしゃるので私にとっては知的好奇心が刺激される一冊でした。
本書に書かれているこれから起こりうる変化は、まだまだ身近なところまで来ていないのでずっと遠い未来の出来事だと考えてしまいます。しかし、思い返してみると私が小学生の頃にパソコンが普及し始めました。そして、中学生ぐらいには携帯電話が、大学生の時分にはスマートフォンが一般的になりました。僅か20年弱の出来事です。そう考えると、作者が言うような世界があと数年で来てもおかしくないのかもしれません。私たちはいま、本の中にあるように「変化に抵抗するのではなく、適応する必要」が求められているのかもしれません。

少しでも興味を持たれたらぜひ一度読んで頂き、これから起こりうる変化をチャンスと捉えて頂けたらなと思います!


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2020/06/15

【神戸市北区】蕎麦屋 一孝庵

こんな所に美味しい蕎麦屋が!?

先日行ってきた蕎麦屋 一考庵さんは、神戸市北区にある「グリーンガーデンモール北神戸」というショッピングモールの一角にあります。
ショッピングモールといっても地方にあるスーパーやホームセンターなどの店舗が集合した程度のものなので、最初はチェーン店かそれに近いお蕎麦屋さんなのだと思っていました。しかし、期待を上回る本格派のおそばでびっくり!!
※お店は神戸電鉄三田線の道場南口の駅から徒歩15分くらいですが、駐車場がたくさんあるので車で行くのがいいかと思います

「庵」の名に相応しい和風なお店

お店は和テイストの家屋風の建物で、店の前には足湯(お隣には温泉)があります!また、店内には石臼やそば打ちを行うようなスペースがありザ・蕎麦屋さんといったお店です。
メニューについては、ほばそばとご飯ものといった感じであまりサイドメニューは無い印象でした。ただ、そばとマグロ丼やうに丼がセットになった限定メニューがありめちゃくちゃ美味しそうです!!(訪れた日はマグロが入っていなくてなく、うには苦手なので食べませんでした。。。)
私は、そばと穴子のひつまぶしのセットを注文しました。

独特なそばの食感

かば焼きにして細かく切った穴子をのせた丼ぶりと大皿に盛られたおそばが出てきました。

そばを一口食べてみると、食感が今まで食べたことない独特な感じが。やや硬めに茹で上げられているてんに加えて、そばの切り方も相まって角張った口当たりになっています。これまで、そばでこれほどまでの食感の違いを感じたことが無かったのでとても新鮮!柔らかくなりすぎるくらい茹でられた蕎麦よりも、こちらの方がよりツルっと食べられます。
穴子のひつまぶしは、タレはあまりきかさずあっさりとした味付け。後からかける出汁もあっさりで、個人的には出汁をかけずにそのまま食べるのが美味しかったかなと。

今回は、冷たいお蕎麦を頂いたので次回は温かいお蕎麦はどんな感じなのか試してみたいと思います。

2020/06/12

【読書】鉄の骨

社会人としての在り方を考えさせられる1冊

今回は、池井戸潤さんの「鉄の骨(講談社)」をご紹介します。
本作は、建設業界を舞台に談合について主軸を置いてストーリーが展開されていきます。読み進めていく中で、「正しい事とは何か?」「社会人(サラーリマン)としての在り方とは?」と深く考えさせられました。


あらすじ

中堅ゼネコンである一松組の若手、富島平太が現場から異動となった本社の部署は“談合課”と揶揄される、大口公共事業の受注部署だった。
東京都内の地下鉄工事の受注に向け、新工法の採用などの懸命なコスト削減に取り組み真正面から入札に取り組もうとするが、、、というのが大まかなあらすじです。

みどころ① 正義とは!?

主人公である富島平太(以下、平太)が、マンションなどの現場を監督する仕事から、本社の通称“談合課”と言われる業務課へと異動になるところから物語が始まります。
先輩である西田に付いて、役所や同業者を回っていくうちに公共工事の受注に向けどのように“調整”が行われていくのか平太は知る事になる。最初は、談合はいけない事だと反発する平太であったが、次第に「必要悪」という周りの言葉に影響され談合への抵抗が薄れていくのであった。

談合は、世間一般的には犯罪行為として認識されていますが、公共工事による利益かが会社を支えている一松組にとっては、公共工事を受注するかどうかは死活問題。そんな中、犯罪だからと言って仕事を放棄するのか、サラリーマンとして社命に従うのか、この狭間で揺れ動く平太の心情や周りの人の発言がみどころのひとつだと思います。

誰でも、大なり小なり「自分が正しいと思う事」と「会社の利益(目標)」との衝突を感じたことがあると思いますが、この作品ではその衝突を抑えながら懸命に仕事に取り組む平太の姿が描かれており、白黒はっきり線引きしない点がリアリティを生んでいると感じます。
あなたなら、同じような場面に遭遇した場合どうしますか?

みどころ② 主人公の恋の行方

この本では、池井戸作品には珍しく恋愛の要素も絡めてられています。
平太には、大学時代の同級生で社会人になってから付き合い始めた萌という彼女がいますが、平太の異動をきっかけに二人の関係がギクシャクし、萌は勤務する銀行の先輩に惹かれるようになり、、、という展開になっています。

彼女の心が離れていきそうになった時、ちょっといい店に食事に行ったり妙に優しくしたり、果てには高価なプレゼントを買ったり。。。そして、なんとか修復できるはずだと楽観的なところ、全て自分のことのようで、読んでいてて切なくて胸が張り裂けそうになります。
平太の恋の行方については、作者である池井戸さんの希望を込めた結末になっているような気がします(現実では、他の人に心が傾いた時点でバッサリ振られるような気が・・・)。

談合はなぜ無くならない?

たまに、談合の疑いでゼネコンの役員や社員が逮捕されたというニュースを目にしますが、どのように談合が行われるのかについてはこれまで全く知りませんでした。
本作では、取材を重ねられ、談合に至るまでの過程が詳細に描かれています(フィクションの要素も大いにあるかと思いますが)。そして、「なぜ談合がなくならないのか」という点についても、業界の体質に加えて入札制度の不備なども挙げて作者なりに問題提起しているように感じました。

大勢の人が関わる建設業界で、何かを変えるということは大変なことだと思いますが、昨今の人手不足などで変革の時代を迎えているのではないかとも感じます。また、公共工事我々の税金が使われるので、入札制度等がより良く変わっていけるように興味関心を持ち続けていきたいと思いました。


今回、ご紹介した「鉄の骨」は600ページを超える大作ですが、話のテンポも良く、どんどん引き込まれてあっという間に読み終えてしまいました。「談合」というものについて考えるきっかけにもなるので、ぜひ読んでみて欲しい作品です。
また、本作は神木隆之介さん主演でドラマ化されているようです。しかも、WOWOW×池井戸潤というかなり期待を持てる組み合わせなので期待大です!


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2020/06/08

天から降り注ぐ天然のシャワー

日本の滝百選 天滝

日本の滝百選に選ばれていてマツコの知らない世界でも紹介された、兵庫県養父(やぶ)市にある『天滝(てんだき)』へ行ってきました!
今回、天滝を通って杉ヶ沢(すぎがさわ)高原へ行く登山を考えていましたが、天滝から先へ行く道が土砂崩れのため通行止めになっていました。その分、たくさん滝の写真を撮れたので、できるだけ写真を載せたいと思います!


天滝とは

  まさに、天から降るかのように流れ落ちるこの滝こそ、落差98メートルと県下一を誇る名瀑「天滝」です。この天滝は、その荘厳で力強い姿と、滝にまつわる伝説などから「日本の滝100選」に選定されています。
出典:やぶ市観光協会HP

また、天滝までの道中に見られる滝群や春の新緑や秋の紅葉なども見どころのひとつとなっています。

天滝までの道はどうなっている?

天滝までの道はよく整備されていて、大変歩きやすいルートです。

ただし、途中に沢を横切る場面もあるので滑りにくい靴で行きましょう。

また、入り口にあたる天滝渓谷の駐車場等にはトイレが整備されています(ただ、綺麗好きには少し厳しいかも・・・)

比較的散策しやすい天滝への道ですが注意しないといけないのが、、、ヤマビルが出る点です!!

私はこれまでヤマビルの被害にあったことがありませんが、ヒルに血を吸われるとしばらく血が止まりにくくなったりするようです。長袖長ズボンなど対策をして出かけましょう。

あと看板に何気にツキノワグマの生息地ですと書いてあります汗
熊って北海道とかにいるだけではなくこんなところにもいるんですね。。。

天滝までにも滝がたくさん!

天滝に至る道中には、「夫婦滝」や「鼓が滝」「糸滝」といった大小さまざまな滝があり、これからの暑くなる季節も途中で涼を取りながら、マイナスイオンを感じながら天滝へと歩いて行きます。




天瀧三社第権現

今回、天滝渓谷の駐車場に車を停めて歩いていきましたが、だいたい50分くらいで天滝のそばの天瀧三社第権現というお社に到着しました。


お社には、お賽銭をしたらお取りくださいというお札が置かれていました(御朱印集めとかが好きな私にはたまらんポイント笑)。

また、お社の前にはベンチが置いてあったので、滝を見る前に一旦休憩を取りました。

落差がありながらも優しい天滝

天瀧三社第権現から天滝が見えるのですが、道中にあった滝と比べ物にならないくらい落差が凄い!!(約98メートルあるとのこと)一方で、落差がある大きな滝なので流れ落ちる水にスピードや力強さがあるものの、岩肌に沿って優しく落ちていく様子が印象的。

そして、なんと言ってもこの天滝の魅力のひとつが滝のかなり際まで行ける点です!
滝が流れ落ちる岩肌まで行って、間近に見ることができます。その際に、天から細かくなった滝の水がまるでシャワーの様に降り注いできます(びしょ濡れになるほどではないのでご安心下さい)。


紅葉の時期に行くとまた違った良さがありそう


※岩場は濡れている箇所は滑りやすくなっていたりするので注意しましょう。
 また、滝なので結構斜度があります。


滝のそばで少し濡れながら佇んでいるとなんだか癒されます。これから暑くなる季節は、都会と違った自然のひんやりとした空気が元気をくれそうです。
天滝も素晴らしいですし、養父市には自然一杯の町です。こんなご時世ですから、都会の人ごみを避けて自然の中でのんびり過ごすのもいいのではないかと思います!

2020/06/07

【読書】素敵な日本人

珠玉の短編集

東野圭吾さんの『素敵な日本人(光文社)』は、9つの短編からなっている小説ですがそれぞれにアッと驚くような展開があって、短い中によくこれだけの要素を盛り込めたなと感心させられます。それぞれ1冊の本になってもいいようなものばかりで大変お得な一冊!
















収録されている短編は以下の通りです。
  • 正月の決意
  • 十年目のバレンタインデー
  • 今夜は一人で雛祭り
  • 君の瞳に乾杯
  • レンタルベビー
  • 壊れた時計
  • サファイアの奇跡
  • クリスマスミステリ
  • 水晶の数珠

ミステリー的な短編もありますが、それぞれ思いもよらない職業の主人公の話であったり、近未来の話であったりと「よくこんなに細かなストーリーが思い浮かぶなぁ」と感心するぐらい描写や設定が細かくて(短編なのに)本当にびっくり!

「人間」や「人生」についてフューチャーした小説!?

この短編集を読んでみて感じたのは、これは「人間」や「人生」を題材にした小説ではないかということです。
本作は、フィクションでありながらどれももの凄くリアリティがあります。このリアリティを生み出しているのが、1つ1つの設定や描写が細かい点に加えて、短い中にも成功や失意、ささやかな喜び、愛憎など様々な人生の要素が巧みに盛り込まれているからだと思います。
それぞれの物語を通じて、読み手に登場人物の生き様を文学として楽しませながら、「人間」や「人生」についてどこか考えさせられる1冊ではないでしょうか!?

おススメは「サファイアの奇跡」

個人的なオススメは、7番目に収めされている「サファイアの奇跡」です。
ストーリーとしては、小学生の女の子が神社で見つけた野良猫を可愛がるようになるというのが前半部分で、後半はいきなり十数年後に飛び主人公も男性に変わります。あまりの急激な変化に、最初は「あれ、さっきの短編はあれで終わりだったのかな?」と驚きました。東野圭吾さんの作品をいくつか読んだことがありましたが、ここまで急転するストーリーは初体験です。でも、最後はほっこりする要素もあって面白い作品です。

今回、ご紹介した「素敵な日本人」はそれぞれが独立した短編なので通勤途中など隙間時間に読むのにぴったりな1冊です。また、それぞれにどんでん返しがあるので落ち着いた時間にじっくりに読むのもオススメです。
あなたの読書スタイルに合わせて楽しんでみて下さい!!


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【神戸元町】ダーツバーの絶品カレー!?

思いもよらぬ本格スパイスカレー 先日、たまたま通りかかった元町の路地で 本格的なスパイスカレー が食べられるお店を発見! しかも、なんとお店はカレー専門店ではなくてダーツバー!!ランチ限定でカレーを出しているそうです。 メニューは全10種類!! ご紹介するお店は、ラ...